Q1:鍼は痛くないですか?
A1:個人的には「あ、今打たれたかな」と感じる程度だと思います。“痛い”の程度にもよりますが一般的な注射のように痛くないと思います。注射針はいわゆる“刃物”のように鋭利ですし、薬液を注入するための孔があるのでそれなりに太いですが、当院で使用する主な鍼灸用の針はかなり細いうえに(0.1㎜~0.2㎜程度で髪の毛くらいの太さです)、意外なことに鍼先が少し丸みを帯びていることでさらに痛みを感じにくくなっています。(組織をつらぬくというより分け入っていく構造です。) また日本の鍼治療は基本的に《鍼管》という筒状の道具を用いて鍼をする箇所(皮膚)の周囲を触圧刺激した状態で打つので、さらに痛みを感じにくい手法となります。鍼を初めて受けた人でも「全く痛みを感じない」という人から、「少しチクチクと感じる」という人まで様々です。
当院の鍼治療のポイント(悪くなりやすい箇所)の一つである筋腱移行部や腱付着部・神経や血管の近く等は割と痛みを感じやすいということもありますが、鍼灸治療に際しては『何が目的か』が大切であり、その時だけちょっと痛いのと治したいと思う症状が続くのと『どちらを優先するか』という選択とも言えます。どうしても無理という方には《刺さない鍼》や《徒手療法(*1)》などを提供させていただきます。
(*1):当院の徒手療法は生体反射を利用した触圧法やストレッチ・整体などです。ボキボキ鳴らしたりはしません。
Q2:お灸で火傷はしませんか?
A2:鍼治療よりは敬遠されていない感じですが、苦手意識のある方がいらっしゃるのも事実です。なんとなくのイメージで大きな艾(もぐさ)を直接皮膚の上で燃やすもののように思われますが、実際には皮膚に直接熱源が触れない《間接灸(台座灸)》か、あるいは皮膚上に米粒か半米粒程度の大きさの艾を用いる《直接灸(透熱灸*2)》が現代の主流です。なおかつ「熱い」と感じたら、台座灸なら場所をずらしたり、透熱灸ならすぐに消すことができるので火傷の心配はまずありません。
(*2):直接灸と言っても当院では灸点紙というシールを貼って、“準直接灸”のような感じで施術することがほとんどです。つまり艾が直に皮膚に触れない施術となりますので火傷の心配はほとんどありません。ただ、関節灸であれ直接灸であれ、皮膚の感覚(受容器)の感度が鈍くなっている場合、本来「熱い」と感じる刺激であっても「熱い」と認識できずに結果として水疱ができることはあります。その点がどうしても不安という方には無理強いはいたしませんのでご安心ください。
Q3:鍼灸ってどんな症状に効果があるんですか?(私は○○○○○と言われましたが効きますか?)
A3:絶対的に“何々に効く”とかは申し上げられません。なぜかというと、単に“頭が痛い・肩が凝った感じ・腰が痛い・めまいがする”といった症状でも「何が原因(引き金)で起こっているか」が重要になります。(緊急性の高い疾患の随伴症状の場合もありますのでご注意ください。)
当院で施術対象となるのはあくまで【fasciaの異常】に由来すると思われる諸症状です。言い換えると、鍼や灸で刺激可能な皮下組織や筋膜などの線維性結合組織(fascia)に施術することで改善・緩和できる症状に有効となります。当院ではそのような症状の原因となるポイント(発痛源)を丁寧な聞き取り・触察・動作分析などの総合的な評価を用いて鍼灸治療に適するかどうかを判断いたします。まず病院にかかったほうが良いと判断すればそちらをお薦めいたします。(基本的に「いつもと違う!?」「なにかおかしいぞ!?」と感じたら病院にかかられることをお薦めいたします。何かあれば早期発見に、何もなければ安心することにつながります。)
ご参考までに当院にかかられる患者さんが訴えている症状としては、いわゆる肩こり・腰痛・寝違え・むち打ち・五十肩・背中の痛み・ぎっくり腰・肘の痛み・膝の痛み・捻挫・ばね指・手足のしびれ・坐骨神経痛様症状・頭痛・めまい・耳鳴り・不眠・下痢・便秘・風邪っぽい等から、病院で「年齢からくる○○○といわれた」「●●●神経痛といわれ痛み止めが出たけど効かない」等が挙げられます。
Q4:病院で自律神経の失調と言われた(又は自己判断で自律神経の問題かなと思う)けど鍼灸は効きますか?
A4:Q3ともカブりますがよくある質問の一つです。
そもそも「自律神経の失調(と言われるもの)とは何か?」という点も重要です。
自律神経系とは無意識下で体温・血圧・体液濃度の調節や呼吸・睡眠・消化・排便など生命活動にとって不可欠な要素を調整する機能となります。その自律神経には機能的に交感神経と副交感神経という分類があります。一般的な分かりやすい説明としては交感神経は緊急(緊張)時に、副交感神経はリラックス(安静)時に必要に応じてバランスよく働く機能とされています。しかし実際には“天秤のようなイメージで表現される”ようにどちらかだけが優位といった関係ではなく、いろんな要素や仕組みが絡み合って相対的に働く超複雑な機能です。それこそ絶妙なバランスで成り立っていますので、平常よりも心身の調子が崩れればその働きが少しくらい乱れても不思議ではありません。言い換えるとそういったバランスが乱れたような症状が続く時は、何かしらの要因が心身に強く影響していると考えられます。根本的にはその何かしらの要因を取り除くことが大切ですが、その過程で鍼灸治療を利用していただくことは有効な手段の一つといえます。
これまでのところ、医療機関でいわゆる“自律神経の失調かもしない”と診断されてきた症状の多くは、検査してみたけど“原因がよく分からない症状”につけられる“診断名”であることが多いようです。つまり今現在のところ従来の検査では何かしらの症状はあるけれど異常と判断できない病態というのは普通に『ある』ということです。そういうことが人の身体では普通に起こり得ると理解している医療機関や鍼灸院などではそれぞれ対応できる症状もございます。(対応可能な範囲はそれぞれで違うと思いますので一度お問合せいただくと良いでしょう。)
当院公式ウェブサイトの別のページにも書いておりますが、当院で対応可能ないわゆる自律神経の失調かもしれないと言われる症状とは、《fascia》の異常に由来すると思われる諸症状です。言い換えると、鍼や灸で刺激可能な皮膚や皮下組織・筋膜等の線維性結合組織(fascia)を刺激することで改善・緩和できる症状に有効となります。(例として首や肩のコリなどによる頭痛・めまい・不眠等や、背部の緊張からくる動悸や胃の不調等、末梢の血流低下による手足の冷え等があげられます。)
Q5:どのくらいの頻度で通えばよいですか?(どのくらい回数を続ければ治りますか?)
A5:これはその人の症状の程度や治癒力次第となりますので単純には答えられません。施術の効果やお体の状態を見ながら決めていくのが良いと思います。こじれてない場合ですと1~2回の施術で痛みが気にならなくなる方もいらっしゃいます。(「気にならない」が“完治した”という意味では必ずしもありませんが。)
打ち身や捻挫などのように分かりやすい急性の症状じゃないのに“急に”痛くなったというような場合は、ある程度の期間をかけて徐々に体に疲労が蓄積したところに最後のひと押しがあって“急に”発症したと感じられることが多く、これはつまり慢性疲労の結果といえます。それなりの期間を経て悪くなった体の状態は残念ながら簡単に解消できないことが多いようです。
重症度の高い方や早く改善したい方には初めの数回は「2~3日間隔」や「一週間以内に一度」といった頻度で通うことを提案する場合もございます(*3)。施術の効果を確認しながら行いますので、最初は2~3日に一度でも、一週間に一度や10日に一度など徐々に間隔をあけていけるようになります。最初にある程度短い期間で何回か続けられると効果を得られやすいのは確かです。次回の予約や通院を無理強いはいたしませんので、全てご自身で選択してください。
治癒の目安としては、「前回の施術から1ヶ月くらい鍼灸治療などを受けずに通常通りの身体の使い方をしても再発しない」というくらいが理想といえます。その人の置かれている状況(仕事など)によっては、ある程度の期間で疲労が蓄積するということは当然ございます。そのような方には2週間に一度や1ヶ月に一度のペースで体の調子を整えるという感じでご利用いただいている例もございます。ご自身の体(健康)とどう向き合うかが大切かと思いますので、じょうずに暮らしに鍼灸を取り入れていただければと思います。
(*3):複数の症状を訴えられている方に対して当院から提案した例として、「今一番困っている症状に対しては2~3日或いは4~5日間隔で通っていただいて、二番目・三番目に気になる症状は一ヶ月に一度まとめて施術するというのはどうでしょうか?」などというのもあります。
Q6:初回の施術料金はどのくらいになりますか?
A6:これも症状の程度や施術の手間によって変わりますので一概には言えませんが、今までの例として、狭い範囲への施術で3000円程度の方から広範囲の施術で7000円程度の方がいらっしゃいました。平均的に4500円から5500円程度の方が多いです。
もし最初の段階で「予算はこの範囲で」や、「1時間くらいで済むように」等といったご要望がございましたら、ご遠慮なくお申しつけください。 (→【メニュー・料金】をご参照ください。)
Q7:感染症の心配はありませんか?
A7:当院では基本的に使い捨て鍼(ディスポーザブル鍼)を用いますのでその心配はありません。
多鍼法が有効な方にはその方個人のみに使用する専用キープ鍼を高圧滅菌器(オートクレーブ)で滅菌して使用し、他の人と併用することはございませんのでご安心ください。(当院では個人専用キープ鍼でも使い捨て鍼でも別途料金をいただくことはありません。)
シャーレ(鍼皿)なども高圧滅菌器にてその都度滅菌いたしております。(病院などでも使い捨てでない道具は高圧滅菌器で滅菌して使用しています。)
ちなみに当院ではベッドシーツや枕カバー(フェイスペーパー)もディスポーザブル(一回で使い捨て)なのでご安心ください。諸々気になる方はご自身でタオルなどをご用意くださってもかまいません。
Q8:予約しないとダメですか?
A8:はい、基本的に『予約制』となります。当院といたしましてはご予約の時間に合わせて最良の施術ができるよう準備いたしたいと考えております。そのため当日の直前でも構いませんので、おこしになる前に必ずお電話で空き時間のご確認をしてください。(☎0573‐67‐8914) 当院では私一人で対応いたしておりますので、施術中に予約なしで来院されますと施術中の利用者様に多大なご迷惑をおかけいたすことになりますので、重ね重ねお願いいたします。
Q9:健康保険は使えますか?
A9:一般的には条件付きで使えます。
(ただ、下記の補足にもあるように保険内ではより最適な鍼灸治療が困難であると判断して、当院では現行の保険適用の範囲での鍼灸治療は行っておりません。基本的に自費診療となります。)
条件は二つあります。
それは、
1.神経痛
2.リウマチ
3.頚腕症候群
4.五十肩
5.腰痛症(急性または慢性)
6.頸椎捻挫後遺症(いわゆる“むちうち”等)
以上の6疾患であると診断されていること。
そのうえで医師の同意書(*4)が必要となります。
これらの疾患で保険内で鍼灸治療を受ける際は、同じ疾患で健康保険にて病院にかかれないということもありますのでご注意ください(*5)。
(*4):同意書の用紙はこちらで準備いたしますので必要な方はお申し出ください。長引く場合は3ヶ月ごとに医師の口頭同意が必要となります。)
(*5):2017年現在。
補 足 :保険適用(療養費)による鍼灸治療では一回あたりの診療報酬が1500円程度(つまり一割負担の方なら自己負担額が150円程度)となりますので、一回の治療内容もそれ相応になるという一面もございます。
Q10:鍼灸治療をうけた日にお風呂に入っても大丈夫ですか?
A10:基本的には大丈夫ですが、鍼灸治療直後1~2時間程度は避けてください。特に打ち身など炎症や腫れ・熱感が強い方(急性期)は入浴そのものを避けていただいたほうが無難です。シャワーや体を拭く程度にしてください。まれに体力の衰えた方や虚弱体質の方は鍼灸治療後の入浴で気分が悪くなったり、炎症の助長により痛みを強く感じることもあるようです。
Q9の感染症の心配と併せて「鍼治療後の入浴で鍼をした箇所からバイキンが入ったりしませんか?」という質問もございますが、人間の皮膚(バリア)機能というのはとても優れていて、鍼の刺激程度なら抜いた瞬間にふさがれてしまいますのでまず心配ありません。
Q11:鍼灸治療をうけた日にお酒を飲んでもいいですか?
A11:基本的に当院ではお薦めはしていません。(自己責任でご自由にしていただければと思います。)鍼灸治療後のお風呂の場合と同様に人によっては気分が悪くなったり、“熱性”の追加で炎症を助長し痛みを強く感じたりすることもあるようです。血流が良くなっていることで普段よりも酔いが回りやすいかもしれません。また鍼灸治療の効果が薄れることもあるかもしれません。
鍼灸治療によりお体の治癒力が亢進していますので、いつもよりも多めに水(または白湯やお茶など)を摂っていただき、早めにおやすみいただくのが理想的です。(鍼灸治療前に飲酒されている場合も同様のことが言えます。)
Q12:他の患者さんに肌を見られたりしませんか?
A12:当院では基本的に施術者と患者さんの一対一になりますので、すぐ隣に他の患者さんがいることはございません。施術スペースは個室空間となりますのでお着換え等が必要な場合でもプライバシーは確保されます。
Q13:家族(子供・友人)同伴でも大丈夫ですか?
A13:大丈夫です。ご予約時間中はその方の“ほぼ貸し切り状態(※)”となりますので、待合室でお待ちいただくか、場合によっては施術室に付き添っていただいても構いません。乳幼児ご同伴の場合はクーハンなどをお持ち込みいただいても大丈夫です。
(※:“ほぼ貸し切り状態”ですが、まれに次のご予約の方が時間より早めにみえることや、飛び込みでおこしになる方がいらっしゃる場合もございます。)
Q14:どんな服装で行ったら良いですか?
A14:施術を受けられる際は体を締め付けないゆったりとした服装でおこしください。施術部位や必要に応じて当院で準備している患者着にお着換えいただく場合もございます。